2014年7月31日木曜日

日本車を取り巻く環境は大きく変わった。

  2012年に購入した新車との生活がなかなか刺激的で、あまりに感動したためブログを始めました。当時は輸入ブランドに対して全般的に日本ブランドの存在感が地味だったようで、日本車セダンなんて「化石」のようにバカにされていた感すらありました。しかし実際に所有してみると「楽しく」て「快適」そのもので、あまりのハイクオリティにメーカーが円高で赤字になるのも頷ける出来映えでした。なんでこんなにいいクルマがこれまで売れなかったんだろう?と今でも不思議に思います。まあ私も人のことは言えないですが、クルマを買う大多数の人は日本車のクオリティが輸入車を大きく上回っているなんて当時は思ってもいなかったわけです。

  マ◯ダがこのクルマの良さを宣伝できないなら、代わりにやってやろう!と思ってブログを始めたわけですが、ブログ開始当時の内容は「BMW3よりも日本車の方が断然に良いよ〜」みたいなものでした。私なりには全ての自動車メーカーに対して誠実に書こうと思っていたので、決して話を盛ることなく無理がない範囲で日本車の良さをアピールしていました。素直にメルセデスやBMWが良いと感じれば「良い」と書きましたし、とにかく「フェア」をモットウにしていたつもりですが、そもそも自動車メディアが著しくアンフェア(輸入車寄り)なので、それに影響されたと思われる人々から反発もあり、「異端視」されることもしょっちゅうありました。

  それがどうでしょう?書き始めてからまだ2年も経っていない現在ですが、日本車と輸入車の立場が完全に入れ替わってしまいました。2012年の段階ではほぼ全てのジャーナリストが口を揃えて絶賛していた「F30BMW3シリーズ」というクルマがありましたが、いろいろ試した挙げ句、到底500万円の価値は無いどころか進んで買う理由は何もないと感じていたので、その主旨のことを当時書いてました。ただ注目されたくて書いてんだろ!みたいなコメントも頂きましたが、私はそんな器用な人間ではありませんし、誠実に購入対象として検討した結果「ダメ」だと思った点がたくさんあったので、それを馬鹿正直に書いていました。

  現在では「F30」はその知名度の高さのせいもあるでしょうが、福野礼一郎さんや沢村慎太朗さんまでが大いに不満を挙げ連ねる存在に成り下がりました。発売から2年経ったので批判してもOKみたいな業界の暗黙のルールがあるのかもしれませんが、最近になって書かれた「F30」評はどれも納得できます。「トヨタ化」してるというのは当初から感じていた点ですが、今では複数のライターによって書かれています。とりあえずマークXとあまり変わらない!ってことです。

  せっかく楽しくBMWの批判記事を書いていたのに、本業のライターの皆様が私の意見に追従して(笑)きてしまってからは、逆にブログで3シリーズを批判することがなんだかプロライターの記事を下敷きにしている風に見えて「かっこ悪い」ことに思えてきてから書きにくくなりました・・・なんてこった!。現在では私がアジるまでもなく、日本で発売されているDセグセダンで「ワースト5」を選ぶとしたら、その全ては輸入車になってしまうでしょうし、そこに3シリーズが堂々ランクインしてもおかしくないかもしれません。それでも下には下がいるようで、私が知る限りではキャデラックATSとVWパサートが3シリーズよりもさらに魅力に乏しいのは間違いないと思われます。

  それにしてもこの2年間に登場した日本車のクオリティがやはり高すぎますね。2年前のベストカー誌では「ドイツ車にくらべればあらゆる面で負けているけど、日本車セダンもなかなかだよ。」みたいなニュアンスで地味に紹介されてました。それが現在のベストカーでは・・・主役は完全にスカイライン、レヴォーグ、アクセラ。これら日本車の水準に耐えられるドイツ車としてBMW M235iやメルセデスA45AMGを無理矢理持ち出す始末。300万円前後の日本車に対して、700万円くらいするスペシャルグレード持ってこないと全く勝負にならない・・・そんな時代がすぐにやってくるなんて2年前にはさすがに考え付かなかったですね。

  世界最強の6気筒エンジンを作る上にレクサスを超えるHVの乗り味を作り出す「日産」。ボクサーターボによる出力と低重心で圧倒的な機動性を誇る「スバル」。世界最高水準に達したディーゼルの「マツダ」。こんな世界最高峰の技術がサラリーマンの所得でも十分に買えるお値段というのも素晴らしい! さらに最先端のステアリング技術やら、自動ブレーキシステムやらがガンガン付いてきて、しかも内外装のデザインも完全に輸入車を凌駕する水準ですから・・・。日本車と輸入車の比較がベストカーの主な「任務」のようですが、これでは全く勝負になってないです。とりあえずこれでは輸入車ユーザーが納得しないので、わざわざレクサスCT200hという動力性能が物足りない日本車をわざわざリストアップしてきて、ゴルフ・Aクラス・1シリーズの方が上ですよ!みたいな苦肉の「演出」をしてたりします。

  自動車雑誌を作るのはとても大変みたいですね。それぞれに読者の中に多くのファンがいるのはよくわかっていても、もうドイツ車もイタリア車もイギリス車もどんな引き出しを使ってもフォローしきれません。どんなに大絶賛をしたところで新型Cクラスの「C180」を買うライターなんておそらく皆無ですし・・・。なかなか強気な価格設定のレクサスNXはかなりの予約が殺到したようです。レクサスNXはBMW X6のような「粋」を感じる部分がそこそこウケているのかなという気がします。これよりもさらに安い「C180」がどれくらい売れるのかわかりませんが、「粋」という点ではあまりピンとこないです。メルセデスの安売り路線は確実にブランドステータスを下げているようですし、クルマ好きにとって一番心証が悪いブランドといってもいいかも。

  日本車の良さに人々が気がついて、日本の高性能セダンのラインナップが増えればいいな!くらいに思ってブログを書いていましたが、あっと言う間に日本車ブランドは自らの力で復権していきました。北米を見てもシェアが伸びているのはスバル・日産・マツダ。欧州各国も大手・中堅で大きく伸ばしているのはやはり日産とマツダ・・・。今度はドイツ車のオーナーになってドイツブランドでも応援してみよう!なんて思ってしまうこの頃です。

  

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