2014年10月24日金曜日

日本でもレクサスRC-Fを630万円で売ってほしい・・・

  レクサスが日本に上陸してまもなく10年です。ちょっと失礼な言い分かもしれませんが、当初のやたらと敷居の高いブランドコンセプトは次第に影を潜めてきたようで、必ずしもレクサスで買う必然性のないモデルもどんどんと増えてきた気がします。今ではスバルやマツダなんかよりもラインナップが豊富に揃っていて、とても左手団扇で客を選んではいられない台所事情が透けて見えてしまっています(ドイツの高級ブランドも同じようなものですが・・・)。

  日本メーカーでたった1つの世界的な高級車ブランドに成長したのですから、他の一般ブランドが絶対に作れないような悶絶させてくれるモデルがどんどん出て来ても良さそうですが、なんだかズッコケてしまうような"地味スペック"のクルマが多いのはやや残念ではあります。超高齢社会・日本ゆえの"特別すぎる"プレミアムブランド「ご隠居スペシャル」みたいなコンセプトに本気で取り組むとしたらそれはそれで面白いと思いますけども、レクサスのお膝元である日本の若者はどんどんクルマへの興味を失っているというのは悲しいことです。

  もちろんレクサスブランドの個々のクルマは非常に洗練されたものですが、もっとエゴ丸出しであれこれと議論を呼ぶような"問題"設計のクルマを作っても良い気がします。国沢さんや徳大寺さんに言いたい放題言わせてあげればいいと思います。彼らに安易に煽動されるほど若いユーザーはアホじゃないと思いますし・・・。CTにしてもISにしてもクラス最高レベルの上質さは間違いないですが、プリウスやクラウンと共通のパワーユニットを使って「仕立て直した」クルマといわれれば、まあ否定できない部分もあります。アウディのように直列5気筒といった風変わりなエンジンを積むモデルでもあれば、もっともっとレクサスのメカニズムや存在感に惚れ込むクルマ好きが出てくると思いますが、現状ではメカにあまり詳しくないユーザーをメインターゲットにしているかのように、こだわりの薄いブランドイメージが少なからずあります。

  レクサスCTの価格帯ならば、もっとマルチにグレード設定しても良いと思いますし、3.5LのV6を押し込んだブレイド・スピードマスターみたいなモデルでもあれば、もっとクルマ好きな若い世代の感心を呼ぶ事ができたと思います(いまからでも遅くはないですよ!)。ほかにもセリカのようなFFクーペだったり、MR-Sのようなミッドシップもさらりと作ってレクサス調の内装をあしらえば、アウディTTやメルセデスSLKを軽く蹴散らせる人気モデルが出来そうな気もします(これからでもお待ちしてます!)。MR-SにレクサスのV8積んでしまえば、もう立派なスーパースポーツの誕生ですし、とりあえずV6を載せてしまえばポルシェのユーザーを吸収できそうです。ポルシェのスポーツカーユーザーは、もはや虫の息なので、いよいよトドメを刺してしまうかもしれませんが・・・。

  そんなレクサスから、久しぶりにスペシャルティ感満載の2ドアクーペが登場しました。かつて「カリーナED」や「ソアラ」といった2ドア・スペシャルティカーの名車と幾つも作ってきたトヨタですから、本気でやり始めればデザインなどはお手の物で、迫力満点で大興奮してしまうほど"猥褻的"でもあるリアを備えた、とても華のあるデザインに仕上がったと思います。どうやらトヨタも売る気満々のようでラグジュアリークーペ路線にも関わらず、クラウンやカムリに使われるおなじみの2.5Lの直4HVのユニットを設定するなど色気を見せています。そして5LのV8NAで477ps(北米版は467ps)を搾り出す新開発ユニットを積んだRC-Fまでも同時に発売してきました。セレブ奥様の買い物車から、ドイツのハイパフォーマンス御三家「M/アルピナ」「AMG」「RS」に真っ向から勝負するサーキット向けまでを網羅するワイドレンジなグレード設定は吉と出るのか?

  それにしても日本価格が950万円、アメリカ価格が630万円という「RC-F」の価格差にはちょっとゲンナリさせられます。BMW・M3/M4のコンセプトをそのまんまパクりましたと自らゲロったようなマヌケな価格設定です。ちなみにGT-Rは日本価格が930万円で、アメリカ価格が1000万円なんですが・・・。ポルシェ並みに維持費がかかるGT-Rは車両価格を抑える戦略を採っているという指摘も確かにありますけど。

  「V8NAを放り込んだ3BOX車」というアメリカンスタイルなレクサスRC-Fですから、その北米価格はBMWだけでなく現地のライバル車の価格をも意識せざるを得ないのかもしれません。ポルシェ911ターボを撃ち落としたGT-Rならば10万ドル突破の強気な価格設定も可能ですが、北米では珍しくもないV8NAを載せたD/Eセグの2ドア車では、「フォード・マスタング」「ダッジ・チャージャー」「シボレー・カマロ」といった定番モデルが、びっくりするくらいに安くてV8モデルがたったの3万ドルしかしません。よっていくら高級ブランド・レクサスだといってもせいぜい6万ドル程度に抑えないと話にならないという判断があったと思われます。ちなみに北米を代表する高級車ブランド・キャデラックから発売されている、RC-Fより一回り大型のボディを持つ「CTS-V」(日本未発売)が6万4千ドルなので、北米市場で売る以上はこれを上限に考えた判断は至極妥当だと思います。

  北米で300万円の現行モデルのV8マスタングが、日本では500万円で売られています。新型はまだ価格が発表されていませんが、日本でも随分使い勝手が良くなるであろう右ハンドルが設定されて、後輪サスもマルチリンクに変わり、いよいよドイツ車や日本車にかなり接近したモデルになるようです。日本価格が現行モデルとあまり変わらないのであれば、俄に注目のモデルになりそうです。もし急転直下で日本とアメリカのTPP加盟が実現して、現在も紛糾していると言われる「自動車非関税障壁」でアメリカの言い分が大筋で通った場合には、マスタングもRC-Fもアメリカ市場に近い価格で日本でも販売されるようになるかもしれません。次いでに160万円なのに日本仕様よりも圧倒的に高性能な北米版VWゴルフ(1.8Lターボ)も歓迎されるでしょうし、RC-Fとほぼ同じ価格の630万円に設定されているBMW・M3が日本でも買えるならば、若者のクルマ離れは大幅に改善されそうです。


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