2016年1月20日水曜日

スカイラインとフーガに「クール・エクシクルージブ」登場

  どうやらスカイラインを買いにきたお客から「内装が地味過ぎ」というご意見があったみたいですね。発売当初から「プレミアムを騒がす!」と強気に宣言していたにも関わらず、集まったお客に軽く欠点を指摘されて、あわてて「ピュアホワイト」が眩しいスペシャルな内装モデルを用意した・・・なんともコミカルな日産のドタバタ劇が想像できます。日産が得意としているスペック重視は、もはや高級車マーケットでは時代錯誤なのか? 硬派な日産がポリシーを曲げた・・・と笑う気はさらさらないですけど、今や1000万台に届こうとしているルノー日産グループですから、その看板ともいえるスカイラインの新型モデル投入時に今後のトレンドをしっかり読んで、需要を先回りしておくくらいできなかったのか? 150万台規模のマツダにだって出来ているのに・・・(失礼)。

  イメチェンを狙ったマツダが、ブランド内の「プレミアム相当グレード」として新たに設定した「Lパッケージ」は、実質的にはレザーシート&レザートリムにBOSEサウンドシステムをまとめた「セット・オプション」です。その中でも一番のこだわりはやや奇をてらった感がある「ピュア・ホワイト」全開のキラキラ内装のようで、やたらと目にするいろいろなマツダの宣伝媒体では、しばしば自慢のエクステリアと並んで「白い」内装の写真が掲示されています。マツダ=大衆ブランドというイメージを根本的に断ち切るための「破壊力」という意味では、アウディやメルセデスに準じたようなエクステリアよりもさらにインパクトがあったような気がします。

  「マツダのパクリです!」と言ってしまうのはやや失礼かもしれないですが、このタイミングでスカイライン&フーガのテコ入れとして「白」を行ってしまったのでは、そう受け取られても仕方ないですかね。もちろんスカイラインのFMCの段階からこの構想があらかじめ準備されていて、2013年の発売から3年経ったタイミング(つまり車検ですね)で、「スカイラインからスカイライン」への乗り換え需要を狙った戦略なのかもしれません。「後だしジャンケン」でこんなに清々しい内装になったスカイラインを見せられたら、発売直後に買った人はちょっと口惜しいはずです。

  今回スカイラインとフーガにそれぞれ「クール・エクシクルージブ」として設定されたのですが、キャビンの広さからしてだいぶ内装の方向性が違う2台ですから、白いシートを取り巻くインテリアの雰囲気も違っています。白いシートがよく似合っているのは、明らかにタイトな空間をサイバーデザインでまとめているスカイラインの方ですね。フーガはどうも無理矢理・チグハグです・・・なんでシートがホワイトなんだ〜って感じがします。

  フーガとスカイラインではフロントシートのサイズ・機能が大きく違っていて、最上級セダン・フーガの売りといえば、やはり助手席に備わるオットマンシートです。もちろんフットレストまでホワイトレザーで覆われています。また最上級車らしい装備としてBOSEのスピーカーがフロントシートの肩口にまで付いています。そこから耳へダイレクトに音が届くようになっていて、最新設備の映画館みたいです。もちろんクルマですから、そこまでしなくても音響空間は作れるとは思うのですが、こういう手数のかかったギミックによる差別化こそが高級車を所有したいと思わせてくれる演出ですね。シアターシステムを備えた「モダンリビング」をイメージしてクルマをつくるとこういう設計になってしまうようです。

  フーガやスカイラインと価格帯で競合するドイツブランドの内装は、ブラック、ブラウン、ベージュといった「自然色」が多く、現行スカイラインの発売当初もこの3色設定でした。しかしスカイラインのクラスで先代よりも販売を伸ばしていて好調なのが、アテンザ!しかもLパッケージがかなりの割合で売れているらしい!輸入車からの乗り換えもたくさん呑み込んでいる!・・・ということでスカイラインの軌道修正だったんじゃないかと思います。

  このクール・エクスクルージブで約20万円の値上げになっていますが、とりあえずクルマの魅力は狙い通りに上がっていて、スカイラインを買うならばコレかな・・・というくらいの出来映えです。ただし日産のホームページをよく読むと、「シートの中心部以外は人工皮革を使用してます」と書いてある・・・。この辺が上質さを好んで高級車を選ぶ人々にどういう印象を与えるのでしょうか? 日産はやっぱりツメが甘いのでしょうか・・・。

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