2016年3月15日火曜日

プリウス独裁にアクセラは「待った!」をかけることができるのか?

  街中で見かけると「やっぱり少々マヌケかな・・・」そんな印象を振りまいているのが4代目となった新型プリウスです。「Cセグなんてどれもマヌケだ・・・」なんてシニカルな指摘もあるかもしれないですが、一応・・・新型プリウスを迎え撃つ側になった自称「走りのCセグ」なモデルが国産・輸入の各ブランドから発売されています。

  予想外だったのは、プリウスの対極にありながら、こんどこそ「走りのCセグ」の頂点へと登り詰めると思っていた、期待のフォード・フォーカスが・・・新型プリウスの無双ぶりを見て怯えたのか、日本から逃亡することになってしまったことです。残念ですね・・・。一説によると日本の新しい排ガス規制(2017年〜)が、フォードのエンジンには完全に逆風になっていることが原因だとか。この調子では・・・同じ路線で販売しているVWゴルフやプジョー308もフォーカスの後を追って撤退もあるかもしれません。

  ちょっと前まで、自動車メディアではあれだけ「先進的なダウンサイジングターボを日本メーカーも採用せよ!」と吠えてました。それに感化されたのか私の弱小ブログにも「ターボ化の流れは常識だ!バカもの!」・・・と本質には興味がない頭でっかちな自称インテリなオッサン?から幾つもツッコミを入れられましたよ・・・怖かったな〜・・。3シリーズ、ゴルフ(GTI以外)、Aクラスは全部ゴミだった!!!と正直過ぎる記事を書いた自分が世間知らずだったのは確かですけど・・・。

  それなのに!?なぜか真っ先に規制に引っ掛かって退場されられるのがガソリンターボです。一体どこが先進的だったんだ?と訊いてみたいですね。他にも先進のミッションとして当時話題だったDCTも、今ではかなり危うい立場へと追い込まれつつあります。CVTと比べて乗り味が一方的に悪いとは思いませんけども、ジャダーが抑えられない難点はついに解消されずじまいでした(結局コスト削減が目的だったんでしょ!)。「日本車も早くDCTにしろ!」とか迷言をほざいていた評論家は今頃何を考えているのでしょうか?

  「HVやCVTに乗るヤツは情弱」といまだにカーメディアが大合唱してたりしますが、トヨタが逆風の中で推し進めてきた「ハイブリッド&CVT」による「マトモなクルマ作り」がいよいよ20年目にして新型プリウスとして結実しました・・・そしてそれを苦虫をかみつぶしたような渋さでレビューするカーメディア連中(プライドを持てよ!)。そしてそんな時代の寵児プリウスの前に立ちはだかるクルマなんてあるのか・・・。規制によって締め上げられるダウンサイジングターボ陣営に勢いはなく、なんだかんだで「自然吸気&AT」という旧態依然のスタイルを維持したまま熟成されたマツダ・アクセラだけが対抗馬です。

  アクセラ・・・2013年の発売時にはかなりの反響があったのですが、翌年にはデミオが刷新されやや注目度が薄れ、さらに昨年の2015年にはCX3が発売されて、手頃な価格の1.5Lディーゼル車がマツダの中心になったことで、いっそう影が薄くなってしまいました。 ブランド内ではやや地味なクルマですけども、プリウスが進化の方向性として目標にしたのが、アクセラ、ゴルフの2台だったことが示すように、アクセラはゴルフと並んで乗り味から車体の剛性感に至るまであらゆる点での「清々しさ」が心に染みるクルマです。

  日本から撤退したフォードとマツダそしてボルボはかつては共同でクルマを開発していたこともあり、「フォーカス」と「アクセラ」と「ボルボV40」の3台は、源流の部分で繋がっています。また初代フォーカスによって欧州市場を席巻されたVWがフォードのエンジニアを引き抜いて5代目「ゴルフ」を作ったのは有名な話です。そのゴルフをベースにしているのが「アウディA3」で、ゴルフをベンチマークにしてそっくりに作ったと言われるのが「プジョー308」です。かつてはこれらのモデルがその乗り味の良さをアピールして、プリウスからユーザーを奪う!とかなり息巻いていましたが、立場は逆転しいよいよ防戦一方になりそうな気配です。

  さらにややこしいことを書くと、ゴルフの設計をコピーしたようなモデルを2000年頃にトヨタも作り欧州に投入しました(カローラ・ランクス)、それがオーリス/ブレイドへと進化し、その末裔といえるシャシーにプリウスのパワートレーンを乗せたクルマが「レクサスCT」です。このクルマはレクサスブランドにおいて欧州でもなかなか販売が好調です。さらにレクサスCTを越えるべく企画されたのが、アクセラのシャシーにプリウスから譲り受けたユニットを使った「アクセラHV」です。発売当初のマツダディーラーの売り文句は「レクサスCT」を越えた!でしたが、販売はイマイチ・・・。

  新型プリウスが「目からウロコの乗り味でした!」というのはあくまで先代のプリウスとの比較においての話であり、シャシーや車体剛性などの進化を認めるならば、すでに新型プリウスと同じ狙いを持った「レクサスCT」や「アクセラHV」が存在していたわけだから今さらに騒ぐのもちょっと違う気がします。しかしこの2台はレクサスやマツダにはあまり相応しくない「CVT装備車」としてブランドのファンから「禁忌」されるモデルだったことも確かです。レクサスやマツダがやっても全然ダメだけど、トヨタが同じことをやったら大絶賛・・・レクサスCTとアクセラHVの開発者は完全に貧乏くじですね。

  私も心当たりがありまして・・・アクセラHVをLパケ(280万円)で乗ろう!とは少しも思わなかったのに、プリウス・Aプレミアムツーリング(320万円)には、ちょっとだけ「ありかも!?」と惹かれましたね!!! 冷静にこの両者を比べれば、あらゆる面でアクセラHV・Lパケが優位ですから、買うならどう考えてもアクセラHV・Lパケです。たしかに新型プリウスはブレーキなどが先代よりも断然にマトモになりましたけど、アクセラHVは最初からマトモですから・・・。

  目には目を、HVにはHVを・・・。AプレミアムにはLパッケージを。・・・しかし慌てて決める必要がなければ、次期インプレッサの登場と、シビックの日本凱旋を待って検討したほうがいいでしょう。アクセラにもビッグマイナーがあるようですし、次期ルノー・メガーヌも意欲的なユニットを積んで日本にやってくると思います。FF化された1シリーズ・・・代わりにFR化されたジュリエッタなどなど、300万円台前半の攻防戦が激しくなってくれればいいですけど、日本に果たしてそれだけの需要があるのか・・・。


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