2016年4月21日木曜日

三菱が・・・とうとう。

  トヨタが操業停止(熊本地震の影響)などトラブルを抱えるとやっぱり出てくる!なかなか不思議なタイミングのニュースだな?という気もしないでもないですけど。それにしても三菱の意図的な「虚偽表示」のニュースには心底ガッカリさせられました・・・。モード燃費をチョロまかすなんてさー・・・、どっかのビッグな市場の国でどっかの国を代表するメーカーが大々的にやらかして大バッシングされてましたけども、日本ではVWや三菱ほどには報じられなかったのもまた不思議です。

  繰り返しますけどモード燃費の誤魔化しなんて、まともなメーカーのすることではないと思います。まったく中長期的な戦略など立案できていないメーカーが行き当たりばったりで急場しのぎに作ったクルマで、ちょっと性能が劣っているから「継ぎ足し」しておこう!っていう子どもの発想です。現代のクルマ作りは、そのモデルが販売される予定のサイクルの中で、出現するであろう有力なライバルを予測し、それらのポテンシャルを徹底的にリサーチした上で、満を持して綿密に設計した上で出てくるものじゃないですか?

  もちろん強敵がたくさんいるわけですから、計画どおりには行かないこともあるでしょう。でも一流のメーカーならば当然に最悪のケースを十分に想定していると思うのですよ。そして万が一にも最悪のシチュエーションが再現されても、「燃費をごまかす」という詐欺行為はどう考えても合理的な戦略にはならないと思うのですが・・・。そういうメーカーにまで成り果ててしまった三菱にはガッカリだと言うわけです。

  トヨタとホンダがなんともゲスで不毛な燃費競争を繰り広げていて、その競争に参入しても未来は無い!と十分にわかっているスバルやマツダは「走る」歓びを追求する方向へ舵を取りました。そしてスズキはイニシャルコストを削減して、より経済的な負担が少ないクルマ作りを目指していて、日産はこれまでに蓄積した高度な走行システムを駆使して世界有数の総合力が高いクルマを作るメーカーへ・・・。これまでの三菱だったならば、ドイツでもアメリカでも非常に故障率が低くて高い信頼性を獲得していましたから、日産と同じ路線を突き進むことも出来たでしょう。

  しかし2000年代から俄にターボエンジンのブームが到来して、三菱重工&三菱自動車の収益体制が大きく変化しはじめました(重工は自の親会社)。2002年の排ガス規制強化を期に、欧州の有名ブランド(アルファロメオなど)が次々に三菱のGDIエンジンのライセンス取得に走り、さらに三菱がいち早く実用化した直噴ターボ技術が欧州メーカーの経営合理化策に見事に合致します。1台のエンジンにさまざまなターボチャージャーを組み合わせることで、複数の価格帯のユニットを造り分けることができる!!!という画期的なシステムはメルセデス、BMW、アウディ、VW、ボルボ、ミニなど日本で成功している多くの輸入車ブランドで採用されました。

  クルマを売らなくても、ターボチャージャーが売れるので十分に儲かる!!!そんなバブルなぬるま湯に浸かっていては、構造改革も進まないですし、中長期的なビジョンも無かったのかもしれません。そんな魂の抜けた三菱を軽蔑するかのように、スバルやマツダはアメリカのハネウェル製のタービンをFA20/FB16ターボやスカイアクティブDでは採用しています・・・。

  別に2000年代の三菱がターボチャージャー販売にあぐらをかいていて、何もしてないというわけではありません。2009年には世界もびっくりの手頃な価格のEV「iミーブ」を発売し、その後にはiミーブに関するEVライセンスもぜひ売ってくれ!とPSAグループなど欧州方面から熱烈なオファーが殺到したようです。「あの三菱が作ったのだからさぞかし優秀だろう!」といった、直噴ターボやSUVのOEM実績(シトロエンにRVRを納入)など、三菱はグローバルでのBtoBにおける「ブランド力」を存分に発揮していたようです。

  2010年頃にまとめられた自動車メーカーを分析した書物によると、2000年代後半の三菱は北米市場から車種を削減したことで赤字に陥っていたものの、欧州ブランドがバタバタと死滅した大不況期の欧州市場でもそこそこ堅調に推移し、マツダのような「火だるま」にはなっていなかったようです。さらになんと!!!大方の予想に反して国内ではきっちり黒字を確保!!!三菱グループによる商用車需要が基盤になっているので底堅いんですね。だから一般ユーザーの意見なんて聞く耳持たないのかな・・・。

  そもそも戦前の財閥直系の軍需企業が、いまでも自衛隊の兵器やミサイル部品や戦闘機を作りつづけているんです。親会社の重工業にとって最大のお得意様は、自衛隊・JR・大手私鉄などなど。機械製造の分野では、トヨタや日立を軽く凌ぐほどの構造上の利権を確保した安定企業なんですね・・・。「三菱は国家なり」マスコミに躍らされて、市井の雑魚市民が三菱をいくら批判したところで全くびくともしない!いくら不買運動を展開したところで、痛くも痒くもないのかもしれません。

  報道を聞いて三菱批判を始めた俄な人々へ!!!三菱自は日本国を守るためにこれまで粉骨砕身の献身をしてきました!!!ODAの一環として日本からの技術援助の中核を担っていたのは三菱自です!!!韓国・中国・マレーシアなどのほとんど全てのメーカーにエンジン製造技術を提供したのは三菱です。中国では三菱は「中国自動車産業の父」として崇められています。貿易摩擦軽減の為に、不採算覚悟で747ジャンボを大量購入して、そのまま経営難へと落ちていった日本航空と同じで、三菱自は自らが犠牲になることで日本の国益に貢献しています!!!

  三菱自の会長が今回の一件で辞任といったニュースが流れるかもしれないですが、それは全く責任を取ったことにはなりません。その人物は三菱重の会長も兼任してますから・・・。
さてこの国策メーカー・三菱自は今後一体どうなっていくのでしょうか? 不死身の復活を果たして、再び世界のどっかの自動車産業を盛り上げるかもしれません。

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